40代 男性

私は両親離婚後、母とともに過ごし、父とはそれ以来会うことはありませんでした。父の死亡については聞いてはいました。そういうなか、先日、おばから父の死亡の連絡と祖父名義の不動産の遺産分割協議を持ち掛けられました。要するに、おばが不動産を取得するという内容です。私に異論はありません。ただ、全く面識のないおばが作成した遺産分割協議書に署名して、実印を押印し、印鑑証明書を提出することに非常な抵抗があります。なにかいい方法はありませんか？

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当事務所の対応

まず、おば様の要望については、相続登記に必要な書類としてはもっともなものではあるので、その点については問題ないとご説明しました。ただ、お客様の警戒感・懸念も十分理解できました。そのうえで、そもそもお客様ご自身には、お祖父様の相続分はいらないし、お父様については負債があるかもしれないから相続人になりたくないという思いが強固でしたので、お父様の相続について相続放棄をする方法についてご説明しました。このようにすれば、もはやお父様・お祖父様のいずれの相続人ではなくなりますので、遺産分割協議に参加する必要もなくなり、当然、遺産分割協議書に署名捺印、印鑑証明書の提出も不要となります。以上、ご納得いただいたうえで、相続放棄の手続きを進めることになりました。お父様の死亡をつい最近知ったとはいえ、死亡からすでに２年以上経過していたため、これまでの事情を聴きとり、相続放棄申述書を提出し、無事、受理されました。おば様には、当事務所から事情説明と登記手続きについて説明させていただき、お客様の相続放棄申述受理証明書をお送りしました。その後、登記のほうも無事完了したと報告をいただきました。。